TOTOのこだわりとは?!無数の改善から日常を幸せに!

 

2017年3月にドイツフランクフルトで開催された世界最大級の水回り製品の見本市。

 

TOTOのブースに人だかりができていました。

ブースの中で、青いライトに照らされ、ひときわ目立っている大浴槽。

その全長は2m!

そして、その名は「ゼロディメンション」。

日本語で「0次元」という浴槽。

 

TOTOの目玉として出展されたこの浴槽。

その名が示す通り、宇宙飛行士のような無重力に近い感覚で入浴できるというもの。

 

形状が従来の浴槽と異なり、底面が身体のラインに沿った曲線となっていて、この浴槽に入浴すると、身体に感じる重力が大幅に軽減され、無重力に近い感覚で入浴できるんです。

 

そして、TOTOは新しい入浴スタイル「寝浴(ねよく)」を提案しています。

 

欧州の市場でのTOTOはまだ小さいが、「早く発売日を決めてもらえないか。私だったら20台はすぐ売れる」という声もあり、この浴槽が代理店に与えた衝撃は大きかったようです。

 

 

今年5月15日で、TOTOは創立100周年を迎えました。

日本でのトイレのシェアは6割と・・・

水回り製品を扱うメーカーとして圧倒的な知名度を持つTOTO!

ウォシュレットなど利用者の快適さを追求した商品で新たな需要を見出してきました。

 

今回の新スタイル「寝浴」も、快適さの追求の賜物!

 

 

試行回数から導く改善!

TOTO総合研究所は神奈川県茅ケ崎市にあり、流体力学や電気工学、健康科学、スポーツ科学に至るまで各分野の専門家を集め、総勢数百人の研究者が商品開発を行っています。

 

浴槽開発の際には、1ヶ月に100回以上実際に入浴してテストを行います。

その際、腕や腰、膝などの全身10ヵ所以上にセンサーを付け、各部への負荷などを測定し、最も心地よい浴槽の形を少しずつ見出していきます。

さらに、脳の血流量も測定し、リラックスしているかの分析も行われます。

 

より多くのデータを採取するため、1日の入浴時間が2時間以上になる事も!

 

そんな多くの試行回数を行った結果、生まれた商品が独自の形状の新型バスタブだったのです。

 

科学的な研究を礎とした商品開発が強みのTOTO。

洗練されたデザインでシェア拡大を図る海外の同業とは、違ったアプローチでシェアを狙います。

 

このやり方は、1917年のTOTO創立以来からの営業方針!

従って、TOTOの歴史は、水回り商品の革命の歴史といっても過言ではありません。

 

 

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TOTOの革命的商品

1.一つの部屋で二つの役割

その良い例が、浴槽とトイレを1つの部屋にしたユニットバス

この商品は戦後の復興を遂げ、オリンピックへの建設ラッシュが進む昭和63年に登場しました。

 

東京五輪開催前に開業する予定だったホテルニューオータニ。

しかし、1000以上ある客室のトイレや浴槽の施行が人手不足で間に合わず、オリンピック開催に間に合わない状況。

 

そこでTOTOは、あらかじめ工場で組み立てたユニットバスエレベーターで現場に搬入し設置できる商品を開発。

通常なら1ヵ月程度かかる作業を1日に短縮し、全室への納入を3か月半で完了させたのです。

これにより、ホテルニューオータニは東京五輪開催に1か月前に無事開業できました。

 

その後も高度経済成長という流れに乗り、ユニットバスはホテルやマンションで次々と採用され、大きな需要を取り込むことに成功しました。

 

 

2.もう手放せないかも・・・

TOTOのもう一つの革命的商品は・・・

そうです、これがないとトイレに行けない人が出るほど人気のウォシュレット

 

最初は、アメリカから温水洗浄便座を医療用として輸入・販売していました。

しかし、実際に使用した社員が「心地良い」という声が続出!

そこで、快適さ・清潔さを売りとした一般向け商品の開発を開始。

 

ウォシュレット利用者の体格や座り方などで、うまく水がおしりに命中せず、商品化には非常に苦労しました。

そのため、人海戦術を実施!!

社員300人に利用してもらい、絶妙な角度(ノズルから水を出す角度を地面に対して43度)を発見!!

 

そして、1980年。

一般家庭向けとしてウォシュレットが発売されました。

そのウォシュレット、現在では国内事業での営業利益の4割強まで成長し、TOTOの主力事業となっています。

 

世界的にみても、累計販売台数4000万台を突破。

 

一大市場となり、心地よさが海外の人にも受け入れられた証でもあります。

 

 

多機能トイレで未来の社会に徹底対応

会社の収益を上げるため、誰もが快適で使いやすい商品を開発するTOTO!

ウォシュレットは、まさにTOTOの勝利の道標!

 

TOTOの次なる目標は、年齢、身体状況、家族構成など幅広い利用者を想定し、家庭や学校、駅などのあらゆる場所で、障害の有無関係なく誰もが使いやすい商品の開発。

 

そのため、20億円を投じて、2006年にユニバーサルデザイン研究所を開設しました。

 

施設内部を見てみると、壁や床一面に格子状の線が・・・。

そのところどころに「脳性マヒ」や「動作域」などの文字が油性ペンで書かれています。

このときの研究テーマは、多機能トイレに最適な手すりや手洗いの配置でした。

 

つまり、壁に設置される洗浄用ボタンやトイレットペーパーホルダーが、どこにあるのが一番利用しやすいかを探していたのです。

そのため、位置調整しやすいようにボタンやトイレットペーパーホルダーの裏に磁石が付けられています。

 

身体状況や年齢など様々な人に研究に参加してもらうよう心がけている」と、ユニバーサルデザイン推進部長の本橋毅さんが話す通り、様々な人を研究室に招き、何百回もの配置実験が行われました。

 

その成果であるTOTOが中心となって設計したトイレボタンなどの配置ルールが、国際標準化機構(ISO)の規格として2015年に認定されました。

 

 

ここまで、誰もが快適で使いやすい多機能トイレを目指すのか・・・。

それは、高齢化社会が進む将来を見越してのこと。

  • つえを付いた高齢者が、一人で悩むことなく気軽にトイレを使いたい!
  • 子供のおむつ替えを気兼ねなく交換したい!
  • 車椅子で使いたい!

など、そんな気持ちに応えることが、需要の拡大につながると考えているからなのです!

 

 

臭いでわかるがん検診トイレ!

また、TOTOはトイレで健康状態を管理できる取り組みも行っています。

 

トイレに搭載されている計測器で、大便に含まれる特定ガスの濃度を測り、腸内の健康状態を調べるシステムを開発しています。

この研究が完成すると、一部の大腸がんの早期発見に役立てることができるそう。

 

TOTOはこのシステムを2020年に実用化したいそうです。

 

 

不安…そして、行動

技術力を上げ、成長するTOTO。

実際、2017年3月期の売上高は、前期比1%増の5738億円。

営業利益は5%増の485億円と、順調な成長です。

 

しかし、不安はあります。

それは、日本の市場に寄っているということ。

つまり、売上高の7割以上が、少子高齢化が進む日本国内に依存しているということです。

喜多村円社長も、海外売上高比率を50%に引き上げたいと公言しています。

 

1970年代に進出し成功したインドネシア中国などでの体験を基に、3段階の市場開拓作戦を実施する予定。

 

 

3段階の市場開拓作戦

1段階目「ブランド認知」
進出間もない地域では、TOTOブランドの認知度を上げるため、高級ホテルや空港に商品を納入し、ウォシュレットなどに触れてもらう段階。

 

2段階目「市場浸透ステージ」
進出後に一定期間経過した時で、ショールームや代理店網を整備し、一般顧客向けの販売経路を拡大し、その国での市場にTOTOを拡大いく段階。

 

同社が現在進出しているベトナムがこの段階にあります。

ですので、2016年11月にベトナム初の直営ショールームを開業しました。

そこで行われる営業スタイルは、来客者一人一人に丁寧に対応する日本式。

これにより、市場拡大を狙います。

 

最終の3段階目「高級ブランド確立ステージ」
全体の司令塔というべき直営の旗艦店を設置し、同社が持つ先進技術をアピールし、「高級ブランド」のイメージを形成・拡大していく段階。
中国や台湾、アメリカなどが、現在この段階です。

 

このようにして、同社は世界でのシェアを拡大しようとしています。

 

確かに、このような方法で拡大すると安定した黒字を確保できるようになるかもしれません。

しかし、それには相応の時間が必要となってしまいます。

実際、最終段階の3段階目にある中国では、30年かかりました。

また、2017年3月期の海外住設事業の売上高は、前期比0.6%増の1281億円となっていて、伸び率は低い。

 

 

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さらなる不安として、ライバルの存在です。

ライバルのLIXILは驚異的な成長を見せています。

その方法は、M&A(合併・買収)。

2013年に衛生陶器最大手アメリカンスタンダードを、2014年にはドイツの住設機器大手グローエなどを買収。

このようにLIXILはM&Aを積極的に行い、5年間で海外売上高を10倍にしました。

LIXILは衛生陶器の他に住宅サッシなども販売しているため、TOTOとは事業領域が完全一致せず正確な比較とはいえませんが、段違いの成長速度です。

M&Aを行うことで、ブランドや代理店網、工務店との関係をも獲得したライバルのLIXIL。

このライバルの成長は、TOTOにとって見過ごせません。

 

これに対し、TOTOは動じていない様子。

つまり、成長が遅くてもやり方は変えない。

喜多村社長も「規模を追うM&Aは考えられない。品質アフターサービス体制を十分にするには、自社で現地展開した方がいい」と話します。

技術力の向上を徹底する。

それがTOTOやり方、TOTOらしさなのです。

 

 

節水対策で世界を救う!

そこでTOTOが今、重要視しているもの…節水

 

人口が増加し、世界で水を巡る問題が叫ばれるようになっています。

それに合わせて、世界中でトイレの節水規定が設けられました。

現に、アメリカのカルフォルニアニア州やテキサス州では、1回の洗浄に使う水量を4.8リットルに抑えるという規制が設けられました。

つまり、少ない水でトイレを綺麗な状態に維持できる技術が求められています。

 

そこでTOTOは、2012年に超節水便器を即座に開発。

洗浄に使う水量が3.8リットルに抑えられていました。

 

そして、これからも人類全体の水に関する問題に技術力を活かして対応するTOTO。

 

トイレ環境を一変させたウォシュレット発売から約40年。

小さな改善の積み重ね、顧客の信頼を集めてきたTOTO。

その同社がいま、世界で利益を得るところまで来ました。

しかし、舞台を世界にしても変わらず、少しずつ信頼を獲得して前へ進んでいきます。

 

 

 

ユニットバスによる工事の高速化、ウォシュレットによる快適なトイレ様々な革命を起こしてきたTOTO。

そのTOTOが視野を広げ、世界を見据えるようになりました。

視野を広げ世界を見据えはしましたが、その進む道は今まで通り。

 

少しずつ進む…。

 

方法としては急速に進む方法もありますが、それには従わず、従来培ってきた歴史ともいうべき技術を向上させ少しずつ信頼を得ていく方法で挑戦。

それが吉と出るか凶と出るか…非常に楽しみです。

 

日本で抜群の知名度を獲得し、それと同時に多くの人から愛されているTOTOです。

きっと吉を出してくれると信じています。

がんばってください。

 

 

 

 

会社情報

TOTO

http://www.toto.co.jp/

社名
TOTO株式会社(TOTO LTD.)

 

創立
1917年(大正6年)5月15日

 

資本金
355億7,900万円(2017年3月現在)

 

代表取締役
代表取締役 会長兼取締役会議長 張本 邦雄
代表取締役 社長執行役員 喜多村 円
代表取締役 副社長執行役員 清田 徳明
代表取締役 副社長執行役員 森村 望

 

従業員数
連結30,334名
単独7,539名
(2017年3月末現在)

 

営業品目
<住宅設備機器>
衛生陶器(大便器、小便器、洗面器、手洗器など)
システムトイレ
腰掛便器用シート(ウォシュレットなど)
水まわりアクセサリーなど
浴槽
ユニットバスルーム
水栓金具(各種給水栓、排水金具など)
システムキッチン、洗面化粧台
マーブライトカウンター
浴室換気暖房乾燥機
福祉機器など

 

<新領域事業商品>
セラミック(精密セラミックス、光通信部品など)
環境建材(タイル、建材など)

 

本社所在地
〒802-8601 福岡県北九州市小倉北区中島2-1-1

2017年4月1日現在

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