回転すし市場はまさに戦国時代!スシローの戦い方とは!!

 

日本食の代表格ともいえる寿司。

高級なイメージがありますが、近年ではお手軽な値段で食べられる「回転ずし店」も多く見られます。

 

読者の中にも「よく利用する」という方もいるのではないでしょうか。

筆者である私も、実は大好きです。

 

スシローグローバルホールディングスは、そんな回転ずし業界において、1皿100円の割安感を売りに400店以上展開する、現在トップの売り上げを誇るビッグ企業です。

(豊富な種類の寿司を提供:日経ビジネスオンラインより引用)

 

しかし、その道のりは決して平坦なものではなかったといいます。

突然の“お家騒動”に遭い、一部上場企業から除外されるなど、大きな苦汁を味わわされた時期もありました。

そんな「冬の時代」を乗り越え、いかにしてスシローは回転ずしのトップ企業へと成長したのでしょう。

 

また、多くの企業がシェアを競い合い、「あと5年で飽和する」ともいわれている群雄割拠の回転ずし業界。

この先企業としてどのような生き残り戦略を図るのでしょう。

 

「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」という理念のもと、情熱あふれる経営を続けるスシローの姿に迫ります。

 

 

100円の概念を捨て、都心に新たなモデルの店を展開

これまで1皿100円の割安感を武器に成長してきたスシロー。

 

ところが、2016年9月、東京・池袋に出店した店では、1皿なんと120円

それまで守ってきたスシローの伝統からは、いわば“逸脱”していました。

 

「スシローといえば100円なのに、いいのだろうか…」

社内でもそのような疑問の声があがり、しかも近隣にはライバル店である「くら寿司」が1皿100円で出店していました。

 

果たしてこの値段が適切なのか――

価格を決めるまでに、3ヶ月も議論を要したといいます。

 

 

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しかし、水留浩一社長は、「単なる広告塔の店にはしたくない」という強い目的意識をもって、同店を立ち上げました。

この想いは、価格設定以外のところにも表れています。

 

タッチパネルで注文した商品が顧客に届くレーンを、通常の回転レーンとは別に設置する、食べた皿を自動的に数えるシステム無人レジを設けるなど、素早い提供・店の回転率向上や、従業員の負荷を減らす仕組みをつくり、“新たな都心型のビジネスモデルをつくる”べく、多くの新施策を打ち出しているのです。

 

そうしてできたのが、今年5月29日にオープンしたJR五反田駅近辺の都心型店舗です。

これを皮切りに、都心でも多店舗展開に乗り出す考えです。

 

これまで、100円という価格を武器に、郊外を中心に展開してきたスシロー。

今後は、都心に勝負をかけ、新たな市場を開拓しようとしています。

 

 

ファンド傘下という雪辱の過去から1部上場へ

広い回転ずし業界の中でも、トップの売り上げを誇るスシロー。

しかし、約40年前の創業からここまでの道のりを振り返ると、経営は山あり谷あり、波瀾万丈の歴史でした。

 

 

スシローのルーツは、すし職人の清水義雄氏が大阪市阿倍野区で創業した1軒のすし屋でした。

1984年、大阪府豊中市にすし太郎を設立。回転ずしチェーン店の展開に乗り出し、その後同氏の弟である清水豊氏と手を組み、あきんどスシローが誕生したのは2000年のことでした。

 

以降、店舗網を関西圏から徐々に広げて売り上げを伸ばし、03年に東証2部に上場します。

 

ところが、思わぬ問題が発生します。

 

 

2007年3月、スシローの株式を牛丼店チェーン「すき家」などを展開するゼンショーが取得。

その割合は発行済み株式数の27.2%で、ゼンショーは筆頭株主に躍り出ました。

しかも、ゼンショーは「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトの筆頭株主でもありました。

 

企業文化の違うライバル企業との合併や、自社のノウハウが流出することを恐れたスシローは、ゼンショーの影響力を弱めるべく、同年8月に水産大手の極洋および、投資ファンドのユニゾン・キャピタルとの業務・資本提携を発表。

 

翌2008年にはユニゾンがスシローを傘下に納め、2009年4月に上場廃止となってしまいます。

その3年後、株式は投資ファンドのペルミラ・アドバイザーズ(英)に転売されました。

 

そんな冬の時期を過ごしたスシロー。

 

しかし、非上場企業となった8年間は、「出店を強化して業界日本一を目指す時期」と「激化する競争に対応できる強い企業体質を目指した改革の時期」でもあったといいます。

 

株主であるユニゾンの協力を得て事業展開を図り、2012年9月期には売上高1113億円を記録し、業界1位となります。

その後、さらに業績を伸ばし、2016年9月期の売上高は1477億円、営業利益は75億円と、10年間で売上高と営業利益はともに3倍に。

既存店売上高は2012年9月期から5期連続で前年を上回りました。

店舗数は460店以上。


(ユニゾン傘下に入り飛躍的に業績が上昇:日経ビジネスオンラインより引用)

 

そして、「はま寿司」に次ぐ業界2位となりました。


(売上は業界1位:日経ビジネスオンラインより引用)

 

さらに、大株主がペルミラに代わってからは、より強い企業体質を目指し、経営改革を進めます。

マグロやエビなど、それぞれの仕入れを熟知した人を外部から招き、6人体制で仕入れのレベルを向上させ、2016年秋より、厳選したおいしいネタを100円で提供する企画「世界の海からいいネタ100円プロジェクト」を開始。

仕入れ、メニューのテコ入れを行い、「効率化ありきではなく、ひと手間かけておいしいものを出していく」という、スシローが持つ文化の徹底を図りました。

 

 

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さらに、マーケティングなどにITシステムを積極的に導入

2015年、スマートフォン向けアプリをリリースし、来店予約や持ち帰りの注文などを受け付け、2016年秋にはアプリでポイントサービスの提供を開始。

現在、スシローアプリは600万ダウンロードまで伸びているといいます。

 

また、クラウドシステムを回転ずし業界でいち早く導入。

総合管理システムで収集した膨大な顧客の喫食情報を管理しています。

今後は、顧客に合わせてスマホや店内のタッチパネルから、商品を提案するような機能も検討しているといいます。

 

 

そのような経営改革を進める中においも、「再び上場企業の仲間入りを果たしたい」という熱意が強く残っていました。

 

その想いがついに実を結び、今年3月30日。

東証1部に上場したことで、同社は8年ぶりに株式市場に返り咲いたのです。

 

 

再上場という悲願の達成を経て、大きな目標へと進む

このように、苦難の時代を過ごしながらも、その間に徹底した内部改革を行い、見事1部上場企業に昇りつめたスシロー。

当然の如く、次なる成長に目を向けています。

 

都心への店舗開店はもとより、店舗数が少ない東北や北海道などに切り込むことも計画。

くら寿司やはま寿司などの競合店とかち合う覚悟で、事業展開を図ります。

 

 

巨大な空白地となっているのは、海外市場。

日本食人気が高まる中、競合各社も海外展開を模索しています。

 

この日本食人気に飛びつき、回転ずし業界でいち早く頭ひとつ抜け出たのは元気寿司。

売上高の2割を海外で稼いでいる強豪です。

一方で、スシローのこれまでの海外のシェアは韓国のみ。

しかも黒字化には7年ほどかかっており、決して楽な道のりではないようです。

 

しかし、「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」という理念で運営を続けるスシロー。

 

悲願の上場の先に新たな目標を掲げ、自社の理念を今度は世界中へ広げようとしています。

挑戦はまだ続いているのです。

 

 

会社情報

会社名
株式会社 スシローグローバルホールディングス

 

設 立
2015年3月

 

創 業
1975年7月

 

資本金
1億円

 

代表者
代表取締役社長 CEO 水留 浩一

 

売上高(連結)
1,477億円

 

従業員数(連結)
1,459名

 

所在地
大阪府吹田市江坂町1丁目22番2号

 

事業内容
寿司レストランの経営

 

URL
http://www.sushiroglobalholdings.com/
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