大江戸温泉物語・旅館を再生することで成長する会社! 企業研究2017

大江戸温泉物語!旅館を再生することで成長する会社!!

 

道半ばで閉めてしまった旅館を再生することで成長する会社があります。

その会社は

大江戸温泉物語株式会社

 

この会社は、「東京お台場 大江戸温泉物語」など多数の温泉施設を運営している会社です。

その温泉施設のほとんどが、残念なことに道半ばで閉業することになった温泉施設を買収するなどして、同社のモデルにリニューアルした施設なのです。

 

その温泉施設は2017年2月現在、北は宮城県の「鳴子温泉 幸雲閣(2017年3月1日オープン)」や「鳴子温泉 ますや」から南は長崎県の「大江戸温泉物語 別府(2017年夏オープン予定)」の33ヶ所です。

そして、グループ全体の宿泊客数は延べ約520万人

さらに、2016年2月期の売上高は382億円を記録したのです。

 

志半ばで断念した施設をリニューアルして運営すると言うことは簡単だと思いますが、実際に行うとなると難しいはずです。

その中で同社は宿泊客数520万人、売上高382億円を記録しました。

 

なぜ、そのような記録を出すことができたのでしょうか?

 

大江戸モデル!!

宿泊客数520万人、売上高382億円を記録…

そこには、「大江戸モデル」というメリハリの効いたサービスがあったのです。

 

①いろいろ選べる~

多くのホテルや旅館では、様々な料理を組み合わせたコース料理を提供していると思います。

しかし、そうなるとコース料理であるため食べ残しや好きなメニューをお腹いっぱい食べられないという、食事の面でなかなかお客様に満足してもらえない場合が多いです。

 

そこで、大江戸温泉物語では、夕食、朝食とも全てをバイキング形式としているのです。

(画像はイメージです)

 

この形式であれば、顧客は自分の好きなものを好きなだけ食べられ、ホテル側は、なくなったメニューのみ補充するだけでよく、調理作業を効率化できます。

また、多くの施設で提供するメニューは、本部で必要な食材を一括で購入し、調達コストも減らすこともできるのです。

 

それだけでなく、施設や季節ごとに目玉となる看板メニューを用意しています。

 

例えば、カニの食べ放題やマグロの解体ショー、地域の農業協同組合と組んで行った栃木産イチゴ「とちおとめ」の食べ放題などメニューを工夫しています。

 

人にとって食事は大切なもので、可能であれば好きなものをいっぱい・少しずついろんなものを食べたいと思うものです。

それに応えようとしているのです。

 

 

②いっつ あ えんたーていんめんと!

宿やホテルに来たのはいいけど、することないなぁとテレビを見ていたり、スマホを触ってたりとしていることはありませんか?

そこで、同社は宿泊客に楽しんでもらえるような工夫をしているのです。

(画像はイメージです)

 

例えば、「塩原温泉 ホテルニュー塩原」では専属の歌手を抱えていて、ショーを開催しています。

「専属歌手の
宇都ノ宮 晃
さんの歌謡ショーを目当てに、月曜~土曜の5泊6日を3週間続ける熱心なファンもいるんですよ)」

と同ホテルの板倉支配人は嬉しそうに話します。

 

このようなショーは、落語や演劇、お笑いなど施設ごとに違った演目を定期的に行っています。

 

また、他の施設では、マンガコーナーを設けたり、「箕面観光ホテル」では任天堂のゲーム機のファミリーコンピュータ本体とそのソフトを置いたりしています。

ちなみに、ファミコンは好評だったことから、2016年10月オープンの「鳴子温泉 ますや」にも導入されました。

 

このようにエンターテイメントを工夫することにより、宿泊客に楽しんでもらいたいと考えているのです。

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③また来てください

さきの二つに加えて、大江戸温泉物語は再び来てもらいたいと思い、独自サービスを持ちました。

 

それが、「いいふろ会員」です。

 

これは、大江戸温泉物語グループの会員システムのことです。

 

全国にある大江戸温泉物語グループの格施設を、お得にご利用できたり、最新情報を手に入れられたりできるものです。

具体的には、次回利用できる割引券を貰えたり、利用履歴などをもとにより良いサービスを追求したりしています。

 

また、大江戸温泉の特徴として、お手頃な価格で利用できるという点があります。

 

時期や場所にもよりますが、1泊2食付きで1人当たり7~8000円くらいから利用できるようになっています。

他にも、最寄り駅とホテルの間を無料のシャトルバスが通っています。

 

土地勘のない旅行客にとっては、ありがたい存在ですね。

 

このような大江戸モデルにより、子供の成人などにより余裕ができた50代以上の女性客を中心に多くの人の支持を受けることができ、さきほどの記録を達成に繋がりました。

 

また、その勢いは強く、平日を含めた客室稼働率は平均84%と、業界で比較的高い数字を持つビジネスホテルの平均74%を大きく上回る程です。

 

 

なぜ旅館を再生させるという成長戦略をとったのか

 

大江戸温泉物語株式会社は2001年11月に創業され、東京にある2003年3月に開業した「東京お台場 大江戸温泉物語」を運営していました。

同施設は、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのように感じられる温泉として、国内外の観光客に人気の施設です。

 

このような状況にあって、なぜ旅館等を再生するという事業に出たのでしょうか?

そのきっかけは、2007年にありました。

当時の同社社長の橋本浩さんが、経営が困難で、また、受け継ぐことも難しい温泉旅館を取得して、活性化しようとした時です。

 

日本には1万軒以上の温泉旅館があります。

 

しかしその多くは、土日などの利用客は多いが平日は少ないという状態で、残念なことに赤字続きの旅館が多いのが現状です。

また、家族経営でその旅館1軒のみなので、跡継ぎも難しい。

こうした状況を知り、これらの施設を取得・再生する事業に乗り出せば、大きなビジネスチャンスだと橋本さんは考えたのです。

これをきっかけに同社は継続困難になってしまった旅館を取得・再生する事業に乗り出したのです。

 

その最たるものが、2008年7月に営業開始した石川県にある「大江戸温泉物語 ながやま」です。

同社は、大片山津温泉の旅館「ながやま」含めて地域にあった経営破綻した旅館も買い取りました。

そして、その地域にある湖「柴山潟」を生かした温泉地環境を作り、「大江戸温泉物語 ながやま」をオープンさせたのです。

これにより、同社が運営する施設のみならず、地域の活性化に一役買ったのです。

 

 

ムダ削減と進出力の向上

 

大江戸温泉物語は当時社長の橋本さんの手腕により、大きくはなったものの採算などの子細な組織管理の面に甘さがあった。

そこで、2015年にベインキャピタルの傘下に入り、組織を整えてさらなる成長を目指しています。

また、ベインキャピタルの持つ外国人向け販売促進策のノウハウを合わせて、これから増える訪日外国人の需要での成長も目指しているのです。

ベインキャピタルは、2011年に「すかいらーく」の経営を立て直すなどのチェーン店企業の経営に実績のあるアメリカの投資会社です。

 

ベインキャピタルの傘下に入りおこなったのが、食材と品目、資材の見直しです。

これにより、各施設で購入する食材と、例えば、唐揚げや刺身用鮮魚などは本部で一括購入する仕組みを整えました。

食器や歯ブラシなどの資

結果、年間10億円ほどのコスト削減効果を生み出しました。

 

大江戸モデルの成功を後押しするように、コスト削減などが功を奏し、宿泊客数は約520万人、2016年2月期の売上高は382億円の記録を生み出すことに成功しました。

 

大江戸温泉物語はさらに事業を成長させるため手を打ちます。

 

それは世界でも例がない

温泉旅館特化のREIT(不動産投資信託)

です。

 

同社は、「大江戸温泉リート投資法人」(以下、リートという)を設立し、2016年8月に上場しました。

 

  • 大江戸温泉物語が取得し、活性化した優良な施設をリートに売却します。
  • リートはその優良な施設から得られる利益をリートに投資してくれた投資家に分配します。
  • そして、大江戸温泉物語はリートに売却した資金を元手に、新たな温泉施設や改装資金にします。

 

これにより、大江戸温泉は取得した旅館を改装し再開したのち、優良な旅館をリートに売却して資金を得るという一連の流れを作ったのです。

 

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さらに広げて…

 

大江戸温泉物語は、これからさらに旅館などを年間5施設ほどのペースで取得していく考えだそうです。

その条件は「人口100万人以上の大都市から、車で2~3時間以内で行ける場所」だと森田満昌社長は言います。

北海道は未進出の地なので注視しているが、「競争力が高い旅館が多い」と森田社長。

また、同社は取得した施設の従業員を解雇するのではなく、そのまま雇入れ、大江戸温泉のノウハウを伝授してその活躍に期待しているそうです。

 

また、需要について、同社のメインターゲットは50代以上なので、これから進む高齢化に多大な影響を受けます。

70代から80代になると、色々な苦労からどうしても来館頻度が減ってしまいます。

しかし、その時は「(40代が50代となり、その方々に多く)来ていただけるようになれば、収益を伸ばせるでしょう。」と森田社長は熱く話します。

同様に、「20年先も成長できるビジネスモデル」だと古澤マーケティング本部長は、自信をみせます。

 

さらに言えば、国内需要だけでなく、これからは訪日観光客の需要も見込まれます。

これに対して生きてくるのが、ベインキャピタルの持つ外国人向け販売促進策のノウハウです。

これにより、訪日外国人の需要も成長に転化できるといえます。

 

そこで、同社は運営施設数100施設、年間売上高1000億円という目標を掲げているのです。

 

今後の課題

 

大江戸温泉物語と同様の、旅館を取得して再生するビジネスを行っている会社があります。

それは、歌広場を運営するクリアックスグループ伊東園ホテルズ

西日本を中心に展開する湯快リゾート

そして、星野リゾートです。

 

伊東園ホテルズや湯快リゾートは、大きな改装をしない代わりに、お手頃価格で提供するというところです。

星野リゾートは、高めの価格設定で多くのこだわりを持つ高級旅館として再生しています。

 

これらのホテルとどういう違いがあるのかを見出していくことが問題となります。

 

また、これから展開していく上で重要となる大江戸温泉リート投資法人にも問題があります。

 

リートの株価は一時期9万円台になりましたが、2016年2月14日現在では、8万5000円ほどです。

これは上場時の初値8万9200円を下回っています。

一時は7万5000円程度にまで下がった値が少しずつ上向いているともいえますが、8万5000円台をウロウロするさえない展開が続いています。

この動きを見るに投資家はリートの成長性にまだ慎重なのかもしれません。

 

さらにホテル特化型リートも近年、増えてきています。

 

例えば、ジャパン・ホテル・リート投資法人星野リゾート・リート投資法人などです。

 

従って、他社との違いを大江戸温泉物語の顧客にアピールし成長することで、企業としての実績を上げて投資家の考える成績を築く必要があります。

 

この記事を読んで

 

道半ばで断念した施設をリニューアルして運営することは、素人の私でも難しいとすぐに思い至ります。

居抜き物件として飲食店で同様のことが行われているということは知っています。

しかし、飲食店と宿泊施設と話が違うと思います。

 

一番違うのはその規模です。

簡単に購入を検討できる額ではないはずです。

さらに改装資金も必要となると、それらの資金を上回る収益を上げなければ利益が出ません。

そう考えるとその難しさを垣間見ることができます。

 

それなのに、廃業してしまった旅館を買い取り、再生させる事業を開始したその決断力が、正直、私もほしいです。

優柔不断なので本当にほしいです。

それは別として…。

 

この大江戸温泉物語の事業がさらに成長してその規模が拡大していったとき、それは必然的に地方の活性化にも繋がることだと思うので、成長を期待しています。

いえ、沈み込んだ日本を大江戸温泉物語がさらなる成長により、地方から牽引してほしいと願っています。

 

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