ファミマとユニー、「統合の代償」と苦闘・ファミマとGMS二つの抱える問題とは?

単独売り上げアップに苦戦するユニー

「単にオシャレな売り場なら我々にも作れるが、運営ノウハウは一朝一夕に身につけられるものではない」

ユニー上席執行役員の浅井和彦氏は率直に話していました。

 

今年の2月、名古屋市にリニューアルオープンしたユニーのGMS(総合スーパー)アピタ新守山店。

同店舗の目玉はTSUTAYAと共同で業務開発したという、書籍や音楽ソフトの複合店である「草叢(くさむら)ブックス」です。

この草叢ブックスは、2階にあった衣料・住居商品売り場を大幅縮小し、フロアの半分の広さで展開されています。

 

新設された草叢ブックスは以前とは違い、むき出しの天井に暗めの照明で演出するなど、独自の雰囲気をだしました。

 

更に、売り場の中央にスターバックスを誘致!

計308の座席を設け、気軽に休憩できるスペースを用意したのです。

 

ただモノを売る場ではなく、店内でゆっくり過ごしてもらう事に重きを置いたのです。

これにより、店内には学校帰りの女子高生が増えるなど、これまであまり集客できていなかった客層で賑わうことになったのです。

 

 

「直営売り場への集客につなげたい」という浅井上席執行役員の言葉通り、改装後1ヵ月で、衣料品の売り上げが前年比20%の増収

 

しかし、この結果は共同開発をしたTAUTAYAのおかげというところが大きい。

つまり、ユニーが単独で魅力のある売り場を開発できていない事実の裏返しです。

また、増収といっても、衣料品の売上は直営売上高の1割程度・・・。

 

そして、その売り場の様子も同様に、同じフロア内にある草叢ブックスと比べると、同じ階にあるとは思えないほどガラガラ。

 

 

業務改革か?売却か?すぐに決断が出来ない背景とは?

ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)の統合交渉の時も、GMS事業の経営が低迷している事が問題となりました。

なぜなら、ファミマ側が経営統合でほしいのは、サークルK・サンクスだったからです。

 

ユニー側は、あくまで「GMSとコンビニエンスストアを切り離すことはできない」との姿勢を貫きました。

 

統合の方向が固まってからもGMSのリストラの問題などの協議が難航。

当初予定していた2015年夏の基本合意は、数ヵ月先になってしまいました。

 

そして、新会社の発足の際、ユニー・ファミマHDの上田隼二前社長は「GMSが一緒でも、グループとして成長の絵を描ける確信が持てた」と力強く話しました。

 

しかし、ユニー・ファミマHDが今年4月にまとめた中期経営計画で提示している策は、「既存店の収益力底上げ」や「食品売り場強化」など現状強化の内容ばかり。

新鮮味にかける内容で、再生へとつなげることは難しい。

 

では、GMSの事業を売却する可能性がないのでしょうか。

ユニー・ファミマHDの高柳浩二社長いわく、「先の話は、もちろんいろんな可能性はある。絶対にないとか、そんなことはありません」そう。

そして、「統合から半年で、いまは正解を一生懸命探している段階」とも話します。

 

 

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ユニー・ファミマHDの成長にとって、GMSが悩みの種であるという状況。

これは2年前の統合交渉の頃からまだ変わっていません。

 

このことについて、JPモルガン証券の村田大郎シニアアナリストは「雇用や不動産契約の問題があり、即時撤退というわけにはいかない。あとは業態転換などいかに軟着陸させるかを考えるしかない」と話します。

 

事業を閉鎖、あるいは、新しい事業モデルへの転換、いずれにしても問題山積で、まだ時間がかかるという状況のようです。

 

とするならば、統合の最大の目的のコンビニ事業の基盤を固める事が最重要となります。

 

 

ファミリーマートへの一本化!そのメリットは?

ファミマが最優先でやりたいこと。

それは、サークルK・サンクスの店舗をファミリーマートの店舗としていくことです。

 

現に、4月19日だけで、新装開店した元サークルKだったファミリーマートは31店舗。

さらに、今年の2月まででは829店舗が転換完了。

そして、2018年2月期には2600店舗の転換を見込んでいるそうです。

そのため、ファミマ社員のうち400人が、持ち場を離れて作業にあたっているそうです。

 

これだけのスピードで、ファミマにブランド統合しようと急いでいる理由は、ブランド統合しなければ、規模を生かした行動を取ることことができないからです。

 

ブランドの店舗数が多ければ商品開発でも、メーカーからの協力を得られやすくなります。

 

ファミマにサンドイッチを納品するファーストフーズは、ファミマの規模拡大を見越し、サンドイッチのスライスに使用する丸刃スライサーを導入


食パンを切断する様子

 

この丸刃スライサーを導入したことで、パンの断面が滑らかになり、サンドイッチの食感も向上するそう。

このような協力を得やすくなります。

 

そして、商品が売れ、工場の収益が高まれば、さらなるファミマの商品の品質向上に繋がります。

 

 

二番煎じでは、ダメ!?

「下位企業の強みは、(上には)立派な事業モデルがあること」と、ユニーの髙柳社長は話します。

 

その規模を生かし、商品の品質を上げている業界最大手のセブンイレブン・ジャパン。

このセブンイレブンの事業モデルを、ファミマが自社でもしようとしているのです。

 

それを表すかのように2016年9月に導入した新パッケージ。

これもセブン式に近づけた施策の一つでもあります。

その特長は、廃棄する食品に対して補助金を出すというもの。

 

ファミマの1店舗あたりの1日の平均売上が52.3万。

対する、セブンイレブンは65.7万円。

13万の差は、夕方以降の弁当・惣菜の品揃えだといわれます。

 

一般的にコンビニの契約では、売れ残りなどの廃棄ロスは、コンビニを営む店自体の負担になります。

そうなると、廃棄分の売上減を恐れ、日持ちしない弁当・惣菜の品目を減らそうと考えてしまいます。

そして、品数が減ってしまいます。

 

つまり、それが、先の1店舗あたりの1日の平均売上の差につながっているといわれいるのです

 

そのために導入された新パッケージの補助金。

その目的は、オーナーの廃棄ロスの負担を減らし、廃棄を恐れずに発注してもらいたいというものです。

 

しかし、問題がありました。

それは、ファミマがロイヤルティ(経営指導料)を引き上げたこと。

 

セブンイレブンの場合、ロイヤルティーが高くても既存商品の品質が高いため、オーナーの収入は安定します。

しかし、ファミマの商品力は途上にあり、セブンイレブンと比べると差は広い。

実際、高柳社長も「まだまだ差がある」と話しています。

 

 

さらに、辛いことにファミマ本部は、6000店舗あるサークルK・サンクスのファミマへのブラント統合作業に、人員を割かざるを得ないということです。

 

その余波は店舗に現れていて、「地域ごとに打ち出されるキャンペーンが減っている」とオーナーは話していて、1店舗あたりの1日の平均売上の伸びも良いとはいえません。

 

加えて、ファミマがセブンイレブンをまねている間も、環境は変化します。

 

例えば、セブン-イレブン・ジャパンは、4月に最低賃金が引き上げられたことなどを受け、加盟店の人件費負担の増加のため、ロイヤルティーを1%引き下げると宣言しました。

セブンを真似るどころか、真逆ことをしてしまう結果となってしまっていました。

 

 

今までのコンビニ業界で最も成功したモデルは、セブン式です。

しかし、過去の成功例をまねるだけでは、社会の変化には対応することは難しいといわざるをえません。

 

今後、どのようにして「ファミマらしさ」を打ち出していくかが、重要となるのではないでしょうか。

 

 

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利用されるのではなく利用する!

そのキーを握るのが、ユニー・ファミマHDの筆頭株主の伊藤忠商事。

 

商社にとって、その傘下に小売企業を持つことは、販路の確保につながる重要なもの。

高柳社長も2月の就任記者会見で、「ユニー・ファミマHDは、伊藤忠にとっては全てのカンパニーと取引を持つ流通インフラ」と、話しています。

捉え方を変えると、ファミマは伊藤忠の子会社だと考えることもできます。

 

消費者を忘れてはいないでしょうか。

 

伊藤忠がファミマの筆頭株主になって、今年で20年目。

商社に使われるのではなく、商社を使う」存在になる。

それをできるだけの規模を手にしたのです。

ですから、今こそ商社を使う存在となり、消費者が喜ぶような変化を起こしてほしいです。

 

 

ユニー・ファミマHDが経営統合を行って、今が最大の山場だと思います。

経営の厳しいGMSを今後どうするか。

難しい判断が続きそうです。

 

また、ファミリーマートとサークルK・サンクスの経営統合したことを強みとして、ファミマらしさを持ったオリジナルモデルの開発を行い、最大手セブンイレブンに立ち向かっていって、業界トップになってほしいです。

 

なぜなら、ファミマが好きだから。

 

 

 

 

ユニー・ファミマHD

公式サイト

http://www.fu-hd.com/

 

企業概要

商号
ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)
(英文社名 FamilyMart UNY Holdings Co.,Ltd.)
代表取締役社長
髙柳 浩二
代表取締役副社長
中山 勇
代表取締役副社長
佐古 則男
本社所在地
東京都豊島区東池袋三丁目1番1号
設立
1981年9月1日
上場取引場
東京証券取引所 (市場第一部)
名古屋証券取引所 (市場第一部)
証券コード
8028
資本金
16,658百万円
決算期
2月末日 (年1回)
事業目的
総合小売事業、コンビニエンスストア事業等の持株会社
従業員数
連結 16,601名(2017年2月末)
店舗数
総合小売事業(2017年2月末)
国内店舗数 210店舗
海外店舗数 3店舗
コンビニエンスストア事業(2017年2月末)
国内店舗数 18,125店舗
海外店舗数 6,375店舗
グループ国内売上高
3,977,067百万円(2017年2月期)

 

 

ファミリーマート

公式サイト

http://www.family.co.jp/

YouTube公式チャンネル

https://www.youtube.com/user/familymart

 

会社概要

商号
株式会社ファミリーマート(英文社名 FamilyMart Co.,Ltd.)
本社所在地
東京都豊島区東池袋三丁目1番1号
設立年月日
2001年7月2日
※1984年1月26日設立のサークルケイ・ジャパン株式会社
(2001年7月1日商号を株式会社シーアンドエスに変更し完全持株会社となる)より、会社分割手続きによって事業会社を新たに設立した日
資本金
83億8,040万円
決算期
2月末日 (年1回)
事業目的
フランチャイズシステムによるコンビニエンスストア事業
代表取締役会長
中山 勇
代表取締役社長
澤田 貴司
従業員数
6,101名 (2016年2月末)
店舗数
23,852店 (国内外エリアフランチャイズ含む) (2016年2月末)
チェーン全店売上高 2,996,741百万円 (2016年2月期)
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